
「静的な変化」と「動的な変化」として捉えると、違いがわかりやすくなります
口角が下がって見えることが気になって施術を調べていると、口角ボトックスと口角フィラーを一緒に見かけることが多くあります。
名前だけ聞くと、どちらも口角を上げる施術のように感じられますが、実際は作用の仕方が異なります。
口角ボトックスは、口角を下に引っ張る筋肉の力を調整する施術で、
口角フィラーは、口角まわりのボリュームと形を補う施術です。
そのため「どちらが良いか」より先に、自分の口角がどのような理由で下がって見えているのかを確認することが大切です。
今回は動画で説明した内容をもとに、口角ボトックスとフィラーがそれぞれどのような仕組みで作用するのか、
そして、なぜ二つを併用するケースが多いのかを、わかりやすくまとめてみます。

1. 口角は「上に引き上げる力」と「下に引き下げる力」のバランスで動いています
口の周りには、口角を上方向に引き上げる筋肉と、
反対に口角を下方向に引き下げる筋肉も一緒に存在しています。
普段はこれらの筋肉がバランスを取り合いながら、口角の位置と表情をつくり出しています。
ところが、下に引く力が相対的に強く働くと、
じっとしているときに口角が下がって見えたり、笑ったり話したりするときに口角が十分に上がらない感じが生じることがあります。
ここで口角ボトックスが主に対象とする筋肉が、口角下制筋です。

口周りの筋肉図:大頬骨筋、口角挙筋、口輪筋、口角下制筋、オトガイ筋。矢印は引き上げと引き下げ。
2. 口角ボトックスは、下に引き下げる力を弱めます
口角ボトックスは、口角を下に引っ張る口角下制筋にボトックスを使用し、その筋肉の力を弱める方法です。
下に引っ張る力が弱まると、相対的に上に引き上げる筋肉の力がより引き立つようになります。
動画では、この仕組みを綱引きにたとえています。(一番下のリンクをご参照ください)

口角の下で口角を引き下げる三角形の筋肉のイラスト。左右に点とX印。
そのため口角ボトックスは、じっとしているときにもある程度の違いが見られることがありますが、
特に笑ったり話したりするときのように表情筋が実際に動く瞬間に、口角がより上がって見えるという変化が際立つことがあります。
つまり、口角ボトックスの核心は、動きを調整する「動的な変化」だと捉えるとわかりやすいです。

比較写真:左は下がった口角、矢印の先の右は上がった口角。
3. 口角フィラーは「筋肉」ではなく「形」を変えます
口角フィラーは、リップフィラーの一部で、
口角の端や下唇の外側にボリュームを加えて、口角の形がほんのりと上がって見えるようにする方法です。
ボトックスのように筋肉の力を弱めるのではなく、フィラーのボリュームで口角の端の形を支えるのに近い施術です。
そのため、口角の端がくぼんで見えたり、
じっとしているときに口角のラインが下に落ちて見える場合には、形そのものを補うアプローチが必要になることがあります。

左右の口角に針で注入する様子のイラスト。ピンクの部分が注入部位。
まとめると、口角フィラーは、じっとしているときに見える口角の形を変えることに重点を置いた施術です。
動画で表現されているように、
(一番下の動画を参照)
「形そのものを変えたいとき」
に向いている施術です。
そのため、口角ボトックスが動的な変化であるのに対して、
口角フィラーは静的な変化と分けて考えることができます。

唇のアップ。口角に上向きにカーブする矢印。
4. ボトックスとフィラーの違いをひと目で整理すると
区分 | 口角ボトックス | 口角フィラー |
主な対象部位 | 口角を下に引く筋肉の力 | 口角まわりのボリュームと形 |
作用の仕方 | 筋肉の動きを弱めて調整 | ボリュームで口角のラインを補う |
変化の特徴 | 笑ったり話したりするときの動的な変化 | じっとしているときの静的な形の変化 |
併せて見る部位 | 口角下制筋、必要に応じておとがい筋 | 口角の端、下唇の外側など |
5. ここでもう一つ見るべき筋肉、おとがい筋
口角の施術を考える際、口角下制筋だけを見るわけではありません。
動画で一緒に説明しているもう一つの筋肉が、おとがい筋(メンタリス)です。
おとがい筋は、一般に「小石あご」ボトックスや「くるみじわ」ボトックスの話でよく登場する筋肉です。

下唇の下にあるオトガイ筋のイラスト。矢印が上方と斜め外側を示す。
この筋肉は、下唇を引き上げると同時に、口角を下方向に引っ張る動きにも関与しています。
したがって、おとがい筋の力が強い場合、この筋肉の力も併せて弱めると、
口角を下に引っ張る力も一緒に減る方向に働くことがあります。
6. そのため口角の施術では、ボトックスとフィラーを併せて検討するケースが多くあります
動画では一般的に、口角の施術を説明する際、口角下制筋とおとがい筋にボトックスを使用し、
さらにそこに口角フィラーを加える方法も併せて紹介しています。
その理由は、役割が重ならないからです
ボトックスは、下に引き下げる筋肉の力を弱めて動的な動きを変え、
フィラーは口角の端のボリュームと形を補い、静的な見た目を変えます。
両方を併せて行うと、じっとしているときに見える口角の形と、笑ったり話したりするときに
動く口角を、それぞれ異なる方法で補えるという意味です。

では、自分はボトックスとフィラーのどちらを見るべきでしょうか?
まず最初に確認したいのは、
「じっとしているときと表情を作るとき、どちらで口角がより気になるか」
じっとしているときは問題ないものの、笑ったり話したりするときに口角が下に引っ張られる感じが強い場合は、まず筋肉の動きに注目することができ、
反対に、表情に関係なく口角の端の形が下がって見える場合は、形を補う方法も併せて検討できます。
また、あごに力が入りやすかったり、下唇が一緒に引っ張られて動いているような様子が見られる場合は、おとがい筋の働きも併せて確認する必要があります。
ただし、どちらか一方の施術だけでも、それぞれ効果が得られることはあります。
結局のところ大切なのは、ボトックスとフィラーを必ず併用することではなく、
自分の口角の悩みの原因が、筋肉によるものなのか、形によるものなのか、
あるいは両方が重なっているのかを見分けることです。
口角が下がって見えるという一つの悩みでも、実際には原因が異なる場合があります。
ある方は、笑うときに下へ引っ張る筋肉の力が強いことが問題の場合があり、
別の方は、口角の端のボリュームと形がより重要な問題の場合があります。
そのため口角の施術は、「ボトックスかフィラーか」だけを選ぶより、
静的な見た目と動的な表情を一緒に見て、必要な部分を分けてアプローチすることが大切です。
口角ボトックスとフィラーの違いが分かりにくいと感じられた方は、
今回の説明のように、ボトックスは「動き」、
フィラーは「形」と覚えておくと、ずっと理解しやすくなります。

ゴールデンディアマンにご連絡いただき、
私と1対1のリップ相談を受けてみることをおすすめします。
ありがとうございました。
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よくある質問
口角ボトックスと口角フィラーの最大の違いは何ですか?
口角ボトックスは「動き」を、口角フィラーは「形」を変える施術として区別できます。ボトックスは口角を下に引っ張る口角下制筋の力を弱めて、笑ったり話したりするときの変化を調整し、フィラーは口角の端と下唇の外側にボリュームを加えて、じっとしているときの見た目を補います。
口角ボトックスはどのような仕組みで作用するのですか?
口角ボトックスは、口角を下に引き下げる口角下制筋の力を弱める方法です。下に引く力が減ると、相対的に上に引き上げる筋肉の力がより表れやすくなり、笑ったり話したりするときに口角がより上がって見える変化が際立つことがあります。
口角フィラーはどのような場合に検討するとよいですか?
じっとしているときに口角の端の形やラインが下がって見える場合は、形を補う口角フィラーを検討できます。フィラーは筋肉の力を弱めるのではなく、口角の端と下唇の外側のボリュームで形を支える方法です。
口角の施術でおとがい筋も併せて確認するのはなぜですか?
おとがい筋(メンタリス)は、下唇を引き上げると同時に、口角を下方向に引っ張る動きにも関わっているためです。あごに力が入りやすかったり、下唇が一緒に引っ張られて動いたりする様子がある場合は、おとがい筋の働きも併せて確認する必要があると説明しています。
ボトックスとフィラーは必ず併用しなければなりませんか?
必ず併用しなければならないわけではありません。二つの施術は役割が重ならないため、一緒に検討されることが多いですが、どちらか一方の施術だけでもそれぞれ効果が得られる場合があると説明しています。大切なのは、口角の悩みの原因が筋肉によるものなのか、形によるものなのか、あるいは両方が重なっているのかを見分けることです。
口角の悩みが筋肉の問題かどうかは、どのように見分けられますか?
まずは、じっとしているときと表情を作るときのどちらで口角が気になるかを確認するとよいでしょう。笑ったり話したりするときに口角が下に引っ張られる感じが強い場合は筋肉の動きを、表情に関係なく口角の端の形が下がって見える場合は形を補う方法を併せて検討できます。